卒業式が終わったら……きれいな袴のたたみ方
「卒業式には私も袴が着たい!」「自分で着付けられたら素敵だなあ」そんな風に考えて、袴スタイルを決めた方も多いのではないでしょうか。
せっかくの袴ですから、着用後はきちんと畳んできれいに保管したいですよね。袴はひだがきれいに揃っていて、折り目がまっすぐであることが大切です。適当にたたむと、ひだがくずれておかしな癖がついてしまいますので、着用後はきちんとたたみましょう。
今回は、袴をすっきりきれいに畳む方法をご紹介します!!男女共通の方法でご説明しますので、男性袴も同じ方法で畳んでいただけます。購入した袴の着用後はもちろん、レンタルの袴を返却する際にもお役立ち。
卒業式シーズンは常に袴を取り扱っているスタッフ直伝の、簡単、きれい、スピーディーに袴を畳むコツが満載です。
ぜひ、覚えていただければと思います。
意外と簡単!でも難しい袴のたたみ方
袴本体のたたみ方はとても簡単、ひだを揃えて三つ折りにするだけです。
まず袴を平らなところに広げ、前後のひだを折り目に沿ってきれいに整えます。
そしてひだが崩れないようパタンパタンと三つ折りにします。
構造はとても簡単なのですが、やってみるとこれがとても難しいです。
ありがちな失敗
袴を平らに置きますが、ひだが全く揃いません!
手で内側のひだから1枚1枚整えていきます。ところが、折り目通りに畳んでいるのになぜかズレたり、どこかが浮いてしまったりします。袴のひだはプリーツスカートのひだと違い、互い違いに入り組むように折られているためです。
せっかく手で整えても、折り返す際に崩れてしまいます。
直しながら畳んでも飛び出してきて、もうだめです😱
このひだをきれいにするのが面倒になってしまう方も多いかと思います。
しかし、美しい袴姿のためにはひだがキチンと整っていることが重要ですので、ぐちゃぐちゃのまま保管するわけにはいきません。
そこで、簡単に三つ折りにするコツをご紹介します。
袴のたたみ方・簡単きれいにたたむコツ
袴をきれいに早く三つ折りにするコツは、机の角(縁の長辺部分)を使うことです。
さらに、折り返す際に長い物差しを使うとより便利です。
たったそれだけで、袴のひだを整えたまま折り畳みやすくなります。
物差しがない場合は、袴を購入した時に挟まれていた台紙を利用すると便利です。(商品によっては台紙が入っていないこともあります)
さっそく具体的な手順をご紹介します。
汚れやほこりが気になる場合は、机の上にたとう紙を敷いておきましょう。
- 机の前で袴の腰部分を持ち、吊り下げます。
袴を軽く振ると折り目に沿って自然にひだが揃います。 - ひだが揃ったら、裾から1/3の位置を机の縁に当てます。
- そのまま机の縁にひだを添わせて平らに置きます。
- ひだがそろった状態で折れました。
- 袴の後ろに台紙を差し込みます。
長い物差しや突っ張りポール(きれいなもの)などスティック状のものなら何でも可です。
スタッフはありあわせの破魔矢を使ったことがあるそうです。(なぜ破魔矢があったのかは分かりません)
折り目の線に台紙の辺を合わせます。 - 両端で台紙と袴をしっかりと押さえ、持ち上げます。
台紙で袴をすくい上げるイメージで持ってください。 - そのまま裏返します。
- 最後に袴の腰部分を折り返します。
- きれいに三つ折りができました。
以上です。
コツは机の縁や台紙などの固く長辺があるものを使い、袴のひだを重力に任せて自然に添わせることです。
試してはいませんが、机がない場合はラックやベッドの縁でも同様にできるかと思います。
なお、使用した台紙は、畳み終わった後に横からそっと引き抜いてから保管してください。
湿気がたまる原因となったり、目に見えない糊の成分などが着物に影響を与える場合がありますので、台紙を挟んだままにするのは好ましくありません。
袴紐のたたみ方(出世畳み)
本体がたためたら、次に紐です。袴の紐のたたみ方・出世畳みもご紹介します。
昔は男袴は出世畳み、女袴は石畳みと区別があったようですが、現在は女袴も出世畳みの場合が多く、きもの町商品もすべて出世畳みとなっています。
男女共通でたためますので、まずはこのたたみ方を覚えておくと良いかと思います。
- 本体を三つ折りにしたとことからスタートです。
前紐(細くて長い方)からたたみます。 - 前紐を三つ折りか四つ折りにします。この袴は三つ折りです。
多くの場合、紐に跡がついているかと思いますので、それに合わせてください。 - 斜め下に向かって置きます。
- 左の紐も同様に、三つ折りにしたら斜め下に置きます。
袴の真ん中の位置で左右の紐が重なるようにしてください。 - 着物の衿のように左側を上にしておくと覚えやすいです。
- 後ろ紐を前紐のクロス部分にかぶせます。
- クロス部分の下から上に通します。
- 左の紐も同様に真ん中のクロス部分に通します。
- 次は紐の付け根側で、前紐と後ろ紐が重なっているところがあります。
そこに後ろ紐を重ねます。 - 右の交点に右紐を重ね、下から上に通します。
- 左も同様です。前紐と後ろ紐の交点に紐を重ねて通します。
- 下側の折り返し部分が輪になっています。
- 最後は、右の紐端を左下の輪の部分に通します。
- 左の紐端を右の輪に通します。
- 出世畳みの出来上がりです!
紐結びのポイントは4つ!
いかがでしょうか?
一見複雑に見えますが、紐結びのポイントは4つです。
- 前紐クロス 前紐を着物の衿のように左を上に置きます。
- 真ん中の交点に通す 後ろ紐を真ん中クロスの交点に通します。
- 左右の交点に通す 次に左右の紐付け側の交点に通します。
- 下の輪に通す 最後に輪に通します。
もう一度ポイントだけに絞って確認しましょう。
- 前紐クロス
前紐は三つ~四つ折りにして、着物の衿のように重ねます。 - 真ん中の交点に通す
後ろ紐を前紐クロス部分の交点に通します。 - 左右の交点に通す
次に左右の紐付け側、前紐と後ろ紐の交点に通します。 - 下の輪に通す。
右の紐は左下の輪、左の紐は左下の輪と、対角に通します。
着物の衿のように前紐クロス、真ん中の交点、左右の交点、輪に通す、です。
ポイント4つであれば簡単にできそうですね!
多くの場合、紐に畳み跡がついているので、4つのポイント通りにたたんだら畳み跡に合わせて形を整えればOKです。
ぜひきれいに畳んで、大切に保管していただければと思います。
動画もごらんください!(2023.03.16追記)
動画ではゆっくり行っていますが、台紙でサッとすくってパタンパタンと裏返すだけ!
本当に簡単・キレイに畳めますので試してみてくださいね。
卒業式は袴姿で♪きもの町の袴スタイル
今回は、袴のたたみ方のコツと紐をたたむ時のポイントをご紹介しました!
せっかくの袴ですから、着用後も美しく。簡単・きれい・スピーディーにたためたら、袴を着るハードルも下がりますね。
「卒業式には袴が着たい!」そう思ったら、京都きもの町をご覧いただければ幸いです。
着付けやレンタルの際は姉妹店の夢館をよろしくお願いいたします!
袴スタイルにお役立ちのきもの町ブログはこちら
「卒業式には私も袴が着たい!」「自分で着付けられたら素敵だなあ」「思い出に残る自分だけのコーデをしたい!」
そんな方のために、きもの町では袴スタイルについてブログでご紹介しています。
選び方、着方が分からないとき、コーデに迷ったとき、そして当日の所作や持ち物、さらにこの記事で着用後のたたみ方まで袴スタイルのすべてが分かります。
ぜひチェックしてみてくださいね!
袴の選び方、着付け方
着用時の注意点やおすすめ持ち物
アレンジやコーディネート
きもの町受注担当。九州出身、沖縄を経由し、花と着物と競馬場の京都生活を満喫中。ブログでは商品情報やコーディネート、着付けの豆知識を発信しています。
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