腰紐を可愛く使いやすくアレンジしたい
こんにちは、きもの町スタッフK池です。突然ですが、皆さま腰紐はどういったものをお使いでしょうか?
着物をきれいに快適に着るために重要なアイテム、腰紐。
単に結べれば良いというものではなく、締めやすさ、体への当たり具合、着物を傷めないかどうかなどなど、いろいろなこだわりポイントがあるかと思います。
さらに、自分で使っていて気分が上がるものが欲しいですよね。
教室や美容室などで意外と人に見られるものでもありますので、かわいく、かつ自分用と分かるデザインのものがあればいいなあと思い始めました。
こだわりポイント
きもの町商品にもおしゃれな腰紐はあります。(下記ブログ参照)
ただ、いずれもゴムが付いていたり素材やデザインがK池の好みの条件からは外れているのが残念なところ。
着付け用品の使いやすさ、好みは個人差があります。
K池の好みの条件は下記のような内容です。
- モスリン生地の一般的な紐がいい
- 紐の真ん中が分かるものがいい
- ゴムベルトは使わない
- 木綿生地は使わない(シワになりやすく、結び目が固くなりがちなので)
- 色やデザインが自分好みだとうれしい
現在は実用第一でピンクのモスリン腰紐を使用し、真ん中に簡単な糸印を付けています。
布用スタンプでポイントを付けてみよう
こだわりの条件に合うものがないなら、作るしかありません!しかし、腰紐を素材から選んで好みの色柄で作るのは難しいことです。昔、モスリンの襦袢生地から自作したことがありますが、なかなか大変でした。
ということで、今回は既存の腰紐にスタンプを押して、簡単にワンポイントを付けることにしました。
使用する腰紐はこちらの「モスリン織りポリエステル 腰紐3本セット」
素材はポリエステル、糸の風合いや織り方をモスリン調に仕上げた腰紐です。ポリエステルらしく汗や水濡れに強く、モスリン織で柔らかくしなやか。
ポリエステルとモスリンの腰紐の良いところが合わさっており、お値ごろで使いやすい腰紐です。
この腰紐に、布用スタンプインクで好きなモチーフの柄を付けることにしました。
京都には老舗のはんこ屋さんがあり、そこで腰紐サイズに合うスタンプを購入。他に、インターネットで作家さんのかわいいスタンプを探したりもしました。
アイロンで定着する布用スタンプインクも好きな色をそろえています。
作れる方は消しゴムハンコでオリジナルデザインにすることもできますし、推しモチーフに推しカラーで揃えてみても楽しそうですね。名入れのかわりにイニシャルデザインを押しても良いかと思います。
複数のモチーフや色を組み合わせる場合は、あらかじめデザインを決めておきましょう。
使用するもの
- モスリン腰紐
- 好みのスタンプ(4cm×4cm角以内)
- 布用スタンプインク
- アイロン(スタンプ定着用)
- 当て布
注意点
腰紐は汗で濡れやすく、着付けの際に圧力や擦れが発生します。そういう状態で使用するとインクが色移りする可能性はゼロではありません。この点をしっかりと確認し、ご自身の判断でご使用をお願いします。
- 必ず洗濯可能な布用スタンプインクを使用します。
- ご使用になるインクそれぞれの仕様や使い方をしっかりと確認してください。
- 事前に別布などでテストすると安心です。
- 心配な場合はデリケートな着物やアイテムを着付ける際は使用しないでください
今回の紐は、万一のことがあっても平気な普段のカジュアルな浴衣やポリエステル着物を着付ける際に使用します。
作り方
- スタンプ、布用スタンプインク、アイロンと当て布を準備しておきます。
アイロンはインクの規定の温度に設定しておきます。 - スタンプを押したい位置に目印をつけます。今回は真ん中と両端に押します。
スタンプに均等にインクをつけ、押します。 - 押せました。
- 当て布をして、アイロンで定着させます。
インクの規定の時間、温度を守りましょう。 - インクが乾いたらOKです。
押したときに傾いてしまったため、スタンプの縁の跡がついてしまいました。 - この調子で紐先にも押し、同様にアイロン定着します。
- 完成しました!
仮紐用の腰紐を作ろう
腰紐は、着物や浴衣をまとう時だけではなく、帯結びの仮紐にも使います。
お太鼓結びのたれを仮結びしておいたり、銀座結びやみやこ結びなど帯枕を使わない結び方をするときです。
この場合、体に1巻きしかしませんので、長さは必要ありません。通常の腰紐を使うと、長すぎて仮結びが手間取りますし、余りを帯の中にしまうのも大変です。
このことが前々から気になっていたため、仮紐用の短い腰紐も作ることにしました。
短い腰紐(仮紐用)の作り方
- 元の腰紐の3/2くらいの長さ(150cm弱)を測り、残りは裁ち落とします。
- 切った端を、右手前のように三角形になるよう始末します。
- 端を中に折り込みます
- 口を縫い閉じますが、この時、輪の両端(図の星印)同士を真ん中で合わせて折り直し、マチ針で留めます。
- 口を本ぐけで縫い閉じます。
- このように紐の横幅に対して縦向きに縫われている状態になります。
- アイロンで縫い目を割り、四角く折り広げます。
- 四角の頂点を合わせます。
- 2本取りの糸で頂点を1~2回すくって、固結びします。
- 好みの長さで糸を切って完成です!
腰紐の飾り糸を付け替えよう
お気づきかと思いますが、腰紐の先端の飾り糸を元々の紅白ではなくパープルと白にしました。
スタンプの色と合わせたのですが、仮紐の片端だけパープルではおかしいので、普通の腰紐、仮紐用腰紐の3本すべて同じ色に付け替えました。
スタンプを押したり、長さを変えたりするのは大変という方も、飾り糸を好みの色に付け替えるだけでも、印象が変わって楽しいかと思います。
使いやすくかわいい腰紐完成!
腰紐が完成しました!
長い方が通常の着付け用の腰紐、短い方が仮紐用腰紐です。
中心には馬と雪、先端に蹄鉄モチーフです。
鏡を見ながら着付けるときに紐の真ん中が分かりやすくなっています。
飾り糸もスタンプと同じ薄いパープルで統一感を出しました!
馬好きのK池らしいデザインで、とてもかわいい!
腰紐のたたみ方
せっかく作ったかわいい腰紐はきれいに保管したいものです。
次回、五角形に畳む方法をご紹介したいと思います。
腰紐の五角形畳みアップしました!(2023.06.03)
きもの町の腰紐、着付け小物一覧
今回は、きもの町の腰紐を、自分らしく使いやすいワンポイントを付けてアレンジしました!
皆様もスタンダードな着付け小物を、ご自身の好みに作り替えてみてはいかがでしょう。
いつか、きもの町オリジナルで素敵な和装小物を販売できたらいいなあと夢見つつ、いろいろと研究したいと思います!
ブログ
きもの町ものづくり部☆
欲しいものは作っちゃおう、着付けをしやすく自分で細工をしよう。
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きもの町受注担当。九州出身、沖縄を経由し、花と着物と競馬場の京都生活を満喫中。ブログでは商品情報やコーディネート、着付けの豆知識を発信しています。