二尺袖、袴を自分で着てみよう
卒業式シーズンが近づいてまいりました。「卒業式には私も袴が着たい!」「自分で着付けられたら素敵だなあ」そんな風に考えている方も多いのではないでしょうか。
この時期になりますと「袴は自分で着られますか?」「自宅で簡単に着付けできますか?」といったお問い合わせを度々いただきます。
簡単に感じられるかどうかは、着る方の経験値によります。
そこで、きもの町スタッフも自分で簡単に着られるのか試してみました。実際に着てみて、難しかったポイント、注意点などをご紹介します。
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スタッフ:K池
身長:約166cm
裄:約68cm
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袴コーデ
アラベスクブラックの二尺袖に黒のグラデーション袴。小物類も黒にして、ブラックのワントーンコーデです。
洋服のインナーの上から最低限の補正をして着付け、重ね衿は省くなど簡略化しています。
スキルは基本の着付け。普段、トルソー着付けはよくしますが、自分で袴を着ることはありません。
袴着付けの難しい点と自装での工夫
袖の長さ
二尺袖は通常の袖より長さがあります。
着付けの際にひっかけたり、巻きこんだりしやすいので注意が必要です。
たもとを腕にかけるなど、袖の扱いは常に気を配りましょう。
袖の重みの影響で、衿合わせがズレやすくなります。
着付けクリップなどで衣紋の3点を留め、丁寧に着付けるようにしてください。
胸元や脇のたるみは、始めにしっかりと補正をしておくことで軽減されます。
また、着付け終わった後に直せますので、そこまで気にしなくても大丈夫。
とにかく袖をひっかけたり、巻きこんだりしないように気をつけましょう。
袴の前紐の掛け方
自分で袴を着付けるときに難しいのは、前の袴紐を帯に結ぶところです。
この部分を一人で着付ける場合、後ろ手に紐を回して文庫結びに絡めなければいけません。
ここが難しく、また腕や肩がしんどかったので、途中まで前結びで着付けてみました。
手順を簡単にご説明すると下記のとおりです。
前結びで袴の前紐を結んでみよう
- 前結びで文庫結び。
- 袴の前を背中側に当てます。
この時、袴の中心が帯の真後ろに来るよう要チェックです。 - 基本の結び方と同様に、帯に紐を巻き付けしっかりと結びます。
- 後ろ袴を帯の上にあげます。(紐は結びません)
- 袴と中の帯を一緒に持ち、右回りで回します。
- 前の袴が体の正面に来るよう回し終わりました。
- 通常通り後ろの袴紐を結びます。
この方法だと前紐を掛けるのはとても楽になりました。
ですが、まず袴を当てるときに帯の真後ろに袴の中心が着ているか確認が必要です。そうしないと回し終わった時に、袴の前後の中心が体の中心からズレてしまいます。
また、袴の紐をギッチリ締めてしまうと、帯と一緒に後ろに回すのがとても大変です。ゆるまず、回しやすい締め加減が難しいポイントでした。
さらに、帯を回すときにどうしても着くずれがしやすくなります。特に、二尺袖はたもとを巻き込みやすいので注意が必要です。
袴紐を掛けるところは、可能であればご家族やお友達に手助けしてもらうことをお勧めします!
出来上がり
着付け師によってしっかりと着付けられたモデル写真と比べると、自装はやはり粗があります。
ただ、袴の腰紐のゆるみなどはなく、脇の開きから見える部分も整っており、要所は押さえられています。もう1度、丁寧にやり直せば、完成度は上がるかと思います。
多少の粗はありますが、自分で袴を着られて楽しそうに撮影していました。
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着物:二尺袖着物「アラベスクブラック」
袴:グラデーション袴黒色ぼかし サイズL(紐下95)
帯:麻の葉柄 ブラック
ブーツ:袴用ブーツ 黒色レースアップブーツ
その他:スタッフ私物
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京袋帯の変わり結び
袴から京袋帯に変えて、帯コーデも。
ブラックやグレーの無彩色で統一して、シックにしました。
後ろはブログや掘り出し市で配布の着付けレシピでご紹介した「カラス銀座結び」です。
京袋帯の変わり結びも「帯結びのレパートリーを増やしたい」「本当に自分で結べるの?」といった声をいただきますので、自分で結んでみました。
自装の場合、途中まで前結びで結びました。
トルソーの見本と比べると、羽が整っていないところが気になりますが、最後に鏡を見て整えればOKです。
基本の構造は銀座結びと変わりませんので、自装でも十分結べます。
ぜひ変わり結びにもチャレンジしてみてくださいね!
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京袋帯:叢雲に八咫烏
帯揚げ:ラミエール帯揚げ No.176
帯締め:衿秀帯締めスレートグレー
草履:ブラック アラベスク
その他:スタッフ私物
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まとめ:卒業式には袴姿で♪自分で袴スタイルにチャレンジ
Q:「袴は自分で着られますか?」「自宅で簡単に着付けできますか?」
→A:基本の着方を知っていれば着られますが、まあまあ大変でした!
大変だと思ったポイントと対策は以下です。
- 袖の重みで引っ張られて着くずれしやすい。
→きちんと補正をし、衿元はクリップで固定しながら丁寧に!たもとを持ち上げながら着付けてください。 - 袴も重みがある。
→袴は帯に結び付けて支えるので、意外と腰回りに重量を感じます。事前に慣れておきましょう。また、帯はゆるまないようしっかりと締めます。 - 後ろ手に紐を掛けるのが難しい。
→誰かに手伝ってもらうか、前結びで紐を掛けてみてください。 - 前結びで帯ごと回す場合、紐の締め加減が難しい。
→予行練習をして、自分にとってちょうどいい締め加減を研究しましょう。
基本の着付けができる方でしたら、丁寧に着付けを行えば卒業式に出られるかと思います。
できればぶっつけ本番ではなく、事前に予行練習をすることをおすすめします!
1度着てみることで、スムーズかつ綺麗に着るポイントが分かりますので、ぜひ練習してみてください。
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きもの町の袴スタイル
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袴の着付け方(動画あり)
カラス銀座結び
きもの町受注担当。九州出身、沖縄を経由し、花と着物と競馬場の京都生活を満喫中。ブログでは商品情報やコーディネート、着付けの豆知識を発信しています。
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