2025-2026年新作きもの福袋が9月30日より販売開始!

毎年新作をリリースしている京都きもの町の袷着物と京袋帯。今年の新作は2025年9月30日から販売開始いたします!!
今期の柄は「銀木犀」「アラベスクに南天」「雲に牡丹、花紋」「白木蓮」の4柄、それぞれ2配色ずつご用意しています。
2025年のきもの福袋コレクションは、統一のテーマといったものはありません。小花、枝花、古典柄に和洋混淆のデザインなど、これまできもの町が作り上げてきたデザインの中から、人気のスタイルを継承しています。モチーフは、きもの町スタッフの「これが好き!」「いま欲しい」を集め、最近のトレンドから古典的な友禅の図案まで、いろいろな物事を参考にしてまとめました。
今回は、2025-2026年新作袷着物、京袋帯について、開発の経緯やデザインのポイントなど詳しくご紹介します。
ぜひチェックしていただければと思います。

着物 デザイン・色柄紹介
銀木犀(ぎんもくせい)

「大人っぽく着られる小花柄」をテーマに、この数年ほどは小花のデザインが必ずコレクションの中に入っています。ミモザ、スズラン、カスミソウ……これらに続く今年の小花シリーズは、ギンモクセイになりました。
正直に言いますと、初めは「金木犀」で考えていました。秋に香り高い花を咲かせるキンモクセイ。毎年秋になると、お茶やフレグランスが各所から販売されることから、人気の高さがうかがえます。そんな大人気のキンモクセイを着物にしたら素敵だろうと考えていたのですが、他のデザインとコーディネートした場合のバランスを考慮し、白いギンモクセイに変更。最終的にスタッフ内での投票でギンモクセイのデザインに軍配が上がりました。
白系の花にしたことで、落ち着いた清楚な雰囲気となり、大人の女性にピッタリのイメージになりました。また、コーディネートしやすく、着用の幅が広いデザインになったのではないでしょうか。
控えめで清らかな魅力の「銀木犀」。小花好きの方におすすめです。
(デザイン上難しかった「金木犀」もいつか再チャレンジしてみたいですね)
A.灰紫色(はいむらさきいろ)



やや暗めの灰紫色の地に全体に表現されたギンモクセイ。白にグレーぼかしの小さな花々、濃いこげ茶に緑のぼかしの葉がデザインに変化をつけ、浅紫色のシルエットが奥行きを添えています。優しい色合いにギンモクセイの清楚な小花が大人かわいい印象です。裏地は灰みの深緑色。
紫系の地色のため、同じ四弁花のライラックを思わせる雰囲気です(ライラックも同じモクセイ科なので、花や枝ぶりは結構似ています)。他の花に見立てて、いろいろなイメージで楽しむのも素敵ですね。
B.黒色(くろいろ)



黒地に全体に表現されたギンモクセイ。浅い月白色にグレーぼかしの小さな花々、濃いグレーにベージュのぼかしの葉がデザインに変化をつけ、墨色のシルエットが奥行きを添えています。ギンモクセイの上品でミステリアスな雰囲気が大人っぽい印象です。裏地は藍墨色。
暗闇から浮かび上がる白い花が美しいデザインです。夜、姿は見えなくてもほのかに香ってくるギンモクセイのような奥ゆかしい雰囲気で装っていただけます。
アラベスクに南天(あらべすくになんてん)

「日本庭園や京町屋にマッチするデザイン」がイメージの元です。ただし、いろいろな着こなしができるよう、純和風ではなく洋の雰囲気も取り入れたデザインを目指しています。2023年リリースの「梅が枝」と同様に、古典的な和の植物に異国風のアラベスクを組み合わせた和洋混淆シリーズです。
植物は花ではなく実のモチーフ、南天を採用しました。ポイントとしては、南天は輪郭線で区切らず、日本画のようにやわらかなぼかしを入れた表現にしています。背景に目立ちすぎず沈みすぎない絶妙な配色のアラベスクがあることで、単調な印象にならず、洗練された雰囲気に。正倉院の宝物や名物裂などから分かるように、古来から日本では海外風の文様が珍重されてきたため、和のモチーフと外国のアラベスク文様は意外と良い相性です。
まるで唐草や幾何学文様の表装裂を使った掛軸のような、和洋が調和した魅力あるデザインです。
A.黒色(くろいろ)



黒地に濃いグレーのアラベスク文様、その上に赤い実の南天が表現されています。深い赤色の実に灰黄緑の枝葉、チャコールのぼかしが立体感を演出。裏地は深い赤色。
ダークな地色に赤が際立つ、華のあるデザインです。シンプルに大人っぽくも着られますし、レースアイテムと合わせて和ゴス風のコーデも素敵です。セイヨウナナカマドといった、ヨーロッパの赤い実に見立ててクリスマスコーデもおすすめ。
B.藤色(ふじいろ)



藤色の地に淡いパープルグレーのアラベスク文様、その上に白い実の南天が表現されています。月白色の実に煤竹色の枝葉、ベージュのぼかしが立体感を演出。裏地は薄鈍色。
南天というと赤い実のイメージですが、実はシロミナンテンという白い実の種類もあります。上品なパープルに白い実という優美さと、アラベスクのハイカラな雰囲気を併せ持つデザイン。気品ある古典的なコーデも素敵ですし、洋服アイテムと合わせて甘いコーデもできます。着る人次第で色々な魅力を引き出していただきたいです。
雲に牡丹、花紋(くもにぼたん、はなもん)

「気軽に着られるアンティーク着物」ということで、「花紋散らし」や「鶴に花紋」の流れをくんだ古典的な花紋シリーズです。毎年、京都らしく友禅の図案を参照しモチーフを選んでいます。
今期は牡丹がメインに入っています。これは配色のテーマから考えた結果、定番の色・赤が映える花として華やかさと気品のある牡丹が採用されました。赤の色も仕上がりを見ながら何度も調整しています。本当はより友禅らしく金銀を入れたかったのですが、それは難しいので代わりに濃いベージュやグレーの雲を入れました。
花にエ霞、雲という伝統的な着物らしい着物を、ポリエステル着物ならではの気軽さをもって楽しめる、いいとこどりの着物です。お正月のお出かけや京都の町歩きなど、和のシーンにピッタリです。京都の着物屋さんとしてずっと大切に作り続けたい古典の花紋シリーズです。
A.生成り色(きなりいろ)



生成り色の地に、黒鳶色のエ霞、濃いベージュの鹿の子の雲、その上に牡丹を中心とした梅、菊、桜などのさまざまな花紋。深い赤、白、淡いベージュなどに黒鳶色の配色で、可愛らしさと渋さのある古典的な印象のデザインです。裏地は白。
生成りに黒、赤白という和の定番の配色です。合わせやすく、長く楽しめる流行り廃りのないデザイン。着物らしく装いたい方にもおすすめですし、洋服のアイテムを取り入れてもマッチする、揺るぎない魅力があります。
B.利休白茶色(りきゅうしらちゃいろ)



浅いグレージュの地に、黒のエ霞、濃いベージュグレーの鹿の子の雲、その上に牡丹を中心とした梅、菊、桜などのさまざまな花紋。鴇浅葱、白、ベージュなどの落ち着いた色を黒で引き締めた配色が和モダンな印象です。裏地はベージュ。
利休白茶という複雑な色名の通り、くすみ系の微妙なニュアンスカラーです。わずかに利休(灰緑)を感じる白っぽい薄茶にグレイッシュなカラーが今っぽい印象。生成り色の方は定番中の定番の配色のため、こちらは逆にモダンに仕上げました。古典柄を現代的なカラーで表現した、今着たい古典に仕上がっています。
白木蓮(はくもくれん)

最も多くのスタッフのこだわりが詰まったデザインかもしれません。
「美しい枝物の花のデザインを作りたい」そこから、清純な魅力ある花、枝ぶりの面白さ、春に魁て咲く姿が好印象の花木・モクレンが採用されました。
モクレン好きの理想を十二分に表現すべく、デザイン担当の池Dがアーカイヴからモクレンの魅力―やわらかな花びらと伸びやかな枝ぶり―を抽出し、お花好きのK池が撮影していた五条公園の白木蓮の写真を提供。それからモクレンの美しいポイントに留意して図案を描き起こしてもらいました。その甲斐あって、細かく枝分かれしながら上へ上へと伸びる枝、空に向かって咲き、一気に散る花の姿が生き生きと表現されています。これにはモクレン好きのジョウダイも大満足。
お花を愛する方へ自信を持ってお送りする白木蓮のデザインです。
A.加加阿色(ここあいろ)



ココアのような浅い茶色の地に枝を伸ばした白木蓮。淡いベージュのぼかしが入った白い花にこげ茶の枝、萼や蕊の深い黄緑がポイントです。薄香色の輪郭線が柔らかい印象を添え、咲きこぼれる木蓮の優美な魅力を演出しています。裏地はベージュ。
これも一風変わった色の名前となりました。加加阿にはココアとカカオ2つの読み方がありますが、この着物については「ココア」です。洋服のワンピースにありそうな、ココアのように柔らかいブラウン系の地色がオシャレな雰囲気です。西洋ではマグノリアと呼ばれ、春を告げる花として愛される木蓮。洋服ミックスコーデにしても楽しめます。
B.藤墨色(ふじすみいろ)



グレイッシュな暗めの青紫色の地に枝を伸ばした白木蓮。淡いベージュのぼかしが入った白い花に薄茶の枝、萼や蕊の深い青緑がポイントです。薄香色の輪郭線が花を際立たせ、咲きこぼれる木蓮の清らかな魅力を演出しています。裏地は薄鈍色。
藤色と墨色が混ざった彩墨にありそうな地の色です。東洋の絵画風のシックな地色によく映える清純な白い花のデザインは、大人っぽく落ち着いた雰囲気で着こなしていただけます。花文様が着たいけれども、甘すぎない大人のコーデが楽しみたい方におすすめ。
京袋帯 デザイン・色柄紹介
着物に合わせて京袋帯も新作をリリースしています。
今年は裏面にもご注目!表に出して使えそうなくらい素敵な柄が全面に織り出されています。これまでも表とは別の色を挿し色として使用したり、ボーダーなどを合わせたり、裏もオシャレにしていましたが、今年は一段と凝っています。これは長年きもの町の京袋帯を織っていただいている帯屋さんの技術です。年々進化していくきもの町の京袋帯、ぜひチェックしてください!
雪とシマエナガ(ゆきとしまえなが)

「生の声を聞いてしまったら作らないわけにはいかなかった」とデザイン担当者が語るシマエナガの帯です。
実はシマエナガモチーフは、何年も前から作りたいと考えていたものです。さらに掘り出し市ご来店のお客様の中にもシマエナガが大好きな方がおいでになり、内外の熱い要望を受けて実現しました。
こだわりのポイントは「居る」感―実在感を大切にしました。シマエナガの一番の魅力は可愛らしさですが、平面的なマスコットっぽい表現では面白くありません。そこで、モチーフの大きさ、ポーズ、顔などをできる限り本物に寄せ、ぬいぐるみのようなデフォルメされたかわいさではない、リアルな愛らしさを追求しました。ふわふわの羽毛の表現の繊細さなどは、長年猫の帯を手掛けている帯屋さんの技術です。
こだわりと技術が詰まったこの帯は、きっとシマエナガ好きの方にご満足いただけると思います。


浅いベージュの地に雪の結晶文様。お太鼓の部分にはこげ茶色の枝にとまった3羽のシマエナガ。アイボリーのふんわりとした体につぶらな瞳、茶や黒の羽が繊細な織りで表現され、本物のような愛くるしさと存在感です。胴の部分には翼を広げて羽ばたくシマエナガ。裏地はベージュに白で全面に雪花紋が織り出されています。
競べ馬(くらべうま)

「来年2026年は午年!」ということで、馬好きのスタッフが猛烈に推していたのと、お客様からも競馬場で締めたいというお声があったことがきっかけです。着物に合わせるため、西洋式の近代競馬の様子ではなく、東洋式の馬装でデザイン。隠れたテーマは「シルクロード風」で、手前の白い馬は古代の中国風、真ん中の鹿毛はトルクメニスタン風、奥の黒い馬はオマーン風と、3頭それぞれに違う馬装や髪型(たてがみと尾)になっています。馬のポーズ、顔、特に目の表現なども丁寧に描かれており、さらに装飾の部分は織りの表現などで変化をつけています。
馬好きスタッフの取材とデザイン担当者の描き込み力によって、勇壮かつ華麗な馬の魅力が表現されたデザイン。身に着ける方にも強さを与えてくれそうな、情熱と技術の詰まった帯です。


やや黄みのグレーの地に織りで表現された唐花文様。お太鼓部分に黒、茶、白毛の三頭の馬がそれぞれ立ち上がり、駆け出す姿が表現されています。臙脂や緑、白、黄色などの東洋または中東風の馬装や細やかな装飾が魅力です。裏は黒地に織りで表現された唐花文様。
月七宝(つきしっぽう)

「合わせやすい幾何学文様が欲しい」という希望と、スタッフ好みの天体モチーフを掛け合わせた月七宝です。なお、月といえば桂花なので、隠しモチーフとして両サイドに金木犀のような四弁花が織り出されています。
ぜひ実物をよく見ていただきたいのですが、七宝の区切りに合わせて、黒、こげ茶と細かく配色されている上に、織りの表現を変えて艶のある部分や質感を感じる部分があり、繊細に作りこまれています。遠目に見ると、七宝の円弧に合わせ月を満ち欠けさせたデザインがオシャレ。大胆で個性的な柄でありながら、細やかさを備えており、飽きの来ないデザインとなっています。織りの質感のある黄とグレーの月が、有名な魯山人の金銀の日月椀にも見える大変モダンなデザインだと思います。(この帯は日月ではなく満月と虧月ですけれども)


黒地にグレーの輪郭線の大きな七宝繋ぎ文様。七宝の中は、満月と欠けた月をイメージした浅い黄の全円とグレーの欠けた円が並んでいます。地の部分も七宝の区切りに合わせて黒、浅い黒、黒に近いこげ茶と細かく配色されており、個性と繊細さを兼ね備えています。両端に縦に織り出された四弁花。裏は黒と茶色の太いストライプ。
2025-2026年新作きもの福袋を動画でチェック
9月30日より販売開始!!2025-2026年きもの町オリジナル着物のお買い物はこちらから
2025年リリースの新作きもの福袋、京袋帯をご紹介しました。
お気に召した色柄はありましたでしょうか?
着物初心者さんにとって着やすく、かつ着物好きさんにも選ばれる、そんなデザインを目指してきもの町スタッフ全員でいろいろなアイディアを出しながら作り上げました。伝統的な装いをしたい方にも、自分だけの個性を追求したい方にも、きっとご満足いただけるかと思います。
今期のコレクションの中でトータルコーディネートが完成するよう、計算し尽されたデザインや配色となっています。着物×帯×羽織×小物類の組み合わせが、どの色柄同士でもよく合いますので、初心者さんも安心。すべてがベストコーデですので、セット買いがおすすめです。
また、今期はサイズ展開も豊富!ふくよかさん向け大きめサイズもご用意しています。もちろん柄の大きさや余白のバランスなども意識していますので、どのサイズでもよく映えます。
2025-2026年新作きもの町オリジナル着物、京袋帯は2025年9月30日から販売開始です。
お楽しみに!

お得なフルセット
※現在販売開始前です。お買い物ページはまだご覧いただけません。
着物、帯はもちろん、草履や着付けに必要な小物一式のセットです。何からそろえたらいいか分からない初心者さんにおすすめ。


単品はこちら
※現在販売開始前です。お買い物ページはまだご覧いただけません。
基本的なアイテムはお持ちの着物好きさんは、単品でお好みのものだけお選びいただけます。



ふくよかサイズ、その他セット、二尺袖もお楽しみに!
その他、3L4Lサイズ、着物と帯の異なる組み合わせのセットや、帯締めなどの小物を変えたセット、卒業式の袴スタイルに着る二尺袖着物など、まだまだたくさん準備中です。
ぜひ、お楽しみにお待ちくださいね!

着物を着るときにお役立ちのブログはこちら
きもの町の公式ブログ、YouTubeチャンネルでは着付け方(着方)や帯結びについてご紹介しています。
着物を着るときの下着はどうしたらいい?帯はどうやって結ぶの?海外の人には何と説明したらいい?
そんな初心者さんのために、きもの町の公式ブログでは小物や帯結びについてご紹介しています。一部、英語・中国語対応しているので、海外の方にも安心。
ぜひこちらもチェックしてみてください!
コメント
[…] 詳細を見る […]