9が付く日はクラゲの日☆クラゲコーデとクラゲ結びの結び方
こんにちは、きもの町スタッフK池です。
先日、2023年新作浴衣「くらげ」に合わせて、兵児帯でクラゲを形作ったクラゲ結びを考えたところ、Twitterで大変ご好評をいただきました。
今回は、クラゲコーデの紹介と、それぞれの帯の結び方をご説明します!
どれも京都水族館でクラゲの実物を見ながら考えた帯結び。クラゲ好きさんに気に入っていただければ幸いです。
ぜひご覧ください!
ミズクラゲコーデ
かわいらしい姿が人気のミズクラゲは、京都水族館のパノラマ水槽で鑑賞することができます。
ほわほわとした丸いカサから透ける四つ葉のような模様、ひらりと伸びる触手や口腕が魅力的。
今期の浴衣「くらげ」はそんなミズクラゲがモチーフとなっています。
かわいらしいミズクラゲを帯でも表現しようと、ミズクラゲ結びを考えてみました。
兵児帯でふんわりとしたカサと口腕を形作り、レースで飾り付け。
四つ葉のような部分は、なんと胃だそうです。
ここを帯結びでも再現するのがポイントです。
アマクサクラゲ
長い触手とフリルのような口腕が美しいアマクサクラゲ。
スッキリとしながらも優美な姿が素敵だったので帯でも表現してみました。
ミズクラゲの応用で、四つ葉型の部分をなくし、長い触手のイメージでフリンジレースを下げました。
フリルの部分もミズクラゲより長めにとっています。
ちなみにアマクサクラゲの餌はミズクラゲだそうです。
実はこのコーデ、浴衣のミズクラゲに惹かれてやってきた捕食者コーデだったのでした。
パシフィックシーネットルコーデ
目にも鮮やかな赤~オレンジのカサに触手、白の口腕が美しいパシフィックシーネットル。
ネットルとはイラクサのことで、海のイラクサの名前の通り、強い毒を持っています。
思わず見入ってしまうほど華やかな美しさを、赤の兵児帯で表現しました。
赤い兵児帯をクラゲのようなこんもりした形に結び、フリルリボンや波型のブレードレースを垂らしました。
パシフィックシーネットルも肉食だそうで、小型のクラゲを食べることも。
やはり、このコーデも捕食者コーデです。
クラゲ結びの結び方
使用アイテム
浴衣と兵児帯以外に使用するアイテムがあります。
(クラゲ結びの種類によってはいくつか使わないものもあります)
三重仮紐
ゴムの三重仮紐です。
クラゲのひらひらフワフワの層を作るのに、仮紐があると便利です。
半衿テープ
レースやフリルを形作り、固定するときに使います。
「半衿」テープという名前のため、半衿にしか用途がないように思われる方が多いかと思いますが、布に使用できる衣料用の粘着テープと考えれば、使用方法の幅は無限大です。
リングゴム
ポリウレタンのリングゴムです。こちらはきもの町商品ではなく、百円ショップなどで購入できるヘアゴムです。
結び方解説では分かりやすいよう茶色を使用しますが、実際に着用してお出かけする際はクリアタイプを使用した方が目立ちにくいと思います。
フリルリボン・ブレードレース
これらはスタッフK池の私物兼きもの町の備品です。
フリルの方は、プリーツフリルレース、フリルリボンなどで探していただければ、同様のものが見つかるかと思います。幅は7.5cm幅を使用。太い方が存在感が出るので、5cm以上は欲しいところです。
デザインレースはブレードレース、フリンジレースなどで探すと、多種多様な美しいデザインレースが見つかります。今回は、刺胞のついた触手のようなポンポン付きのレースと、フリンジレースを使用しました。
どちらも長さは100cm~150cmほどあると良いでしょう。
基本の結び方
クラゲ結び各種の基本の結び方は、兵児帯の「リボンレイヤー結び」をベースとしています。
道具類が揃うまで、おさらいしてみてくださいね。
事前の準備
レースアレンジ
- フリルリボンを用意します。
フリルになっている辺と、まっすぐの辺があります。 - フリルのないまっすぐの辺に半衿テープを付けます。
- くるくると巻きながら、半衿テープで接着していきます。
巻くときに、らせん状になるよう少しずつずらしていってください。 - そのまま両端を20cmほどツイストしていきます。
- くらげの口腕をイメージしたツイストフリルのリボンが出来上がりました。
ミズクラゲ結びの結び方
- 60cm以上取り、2周巻きます
- リボン結びにします。ここまでは基本のリボンレイヤー結びと同様です。
- たれを結び目の下から上に通します。
この時、帯端は上に引き抜かず、輪の状態のまま引き出してください。 - 両方のたれ先を揃えます。
- 結び目の上に三重仮紐を掛けます。
- 三重になっているゴムの手前から3枚目と2枚目の間に左のリボンの羽を通します。
- 次に、手前から2枚目のゴムを引き出し、右の羽を挟みます。
こうすると、クロスしたゴムで羽根が固定され、ズレにくくなります。 - たれ先をクラゲの口腕のようなフリルにします。
たれ先を広げ、端からくるくると巻きます。 - 巻いたら、ゴムで留めます。
写真では分かりやすいよう茶のゴムを使用しています。 - 巻いたら一番内側の帯端をつまみます。
- 内側の帯端を引き出します。
内を引き出し、外側を上に引き上げるようにしてください。
この時、リボンの結び目がゆるまないよう力加減には注意です。 - 反対側のたれ先も同様に整えます。
- クラゲの口腕のような、らせん状のフリルができました。
- 結び目の上に通したたれを下ろします。
- たれの上をつまみます。
- ふんわりお花のような形になるよう、ギャザーを寄せて巻き込みます。
だいたいでOKです。 - 根元をゴムで留めます。
- 十字にゴムを掛け、四つ葉の形になるよう整えます。
- 飛び出しているので帯の中に入れ込んで隠します。
- ミズクラゲのベースができました。
- 後は飾りつけです。
先に用意しておいたフリルリボンやレースを使用します。 - 飾り方は、まずフリルをたれ部分の下に通します。
- 交差させてゴムや結び目を包みます。
- 端のツイストを三重仮紐のゴムに差し込み、垂らします。
反対側も同様にゴムに挟みます。 - 結び目やゴムを隠すようにフリルが巻けました。
両端が仮紐のゴムで固定されているので、落ちることはありません。 - フリルがふわっと広がり重なるようバランスを見て、たれに半衿テープで固定します。
- ポンポンレースを三重仮紐のゴムに通し、軽く結びます。
- たれを下ろし、バランスを整えて完成です!
動画『兵児帯でミズクラゲ結びの結び方』
ミズクラゲの応用でアマクサクラゲ結び
アマクサクラゲ結びは、過程の写真を撮っておりませんでした。(申し訳ありません)
基本はミズクラゲと同じですが、四つ葉の部分を作りません。たれを長めに取り、フリルもミズクラゲより長く垂らすのがポイントです。
ツイストフリルの巻き方を少し変えていますので、そこをご紹介します。
- 端をツイストフリルにしたフリルリボンを帯の上に巻きます
- 端は三重仮紐のゴム部分に差し込みます。
- 長い口腕のように垂らします。
- 一番上のたれの下にフリンジレースを垂らして出来上がり。
パシフィックシーネットル結び
パシフィックシーネットル結びは、自分で結べるよう簡略化した結び方を考えました。
- リボン結びをします。
- レイヤー結びと同様にたれを畳んで結び目に挟みます。
レイヤー結びはたれの重なりがジグザクになるよう散らしますが、この場合は散らしません。 - 結び目にフリルリボンを通します。
- フリルリボンをバランスよく挟み込んだり、テープでくっつけます。
- 一番上のたれをふんわり広げて出来上がりです。
- 最後に、ハンカチなどを土台として帯の中に入れ込むと、ふんわりしたクラゲらしい形が保てます。
(ミズクラゲタオルハンカチは水族館のショップで購入したK池私物です)
クラゲ結びの注意点
- もつれや引っ掛けに注意
飛んだり跳ねたりしても大丈夫ですが、ひらひらのフリルやレースを引っ掛ける場合があります。 - おしりに敷かないように注意
アマクサクラゲ結びなど、長くフリルやタレを下げる結び方は、立ち座りの際に踏み敷いてしまう可能性があります。 - 潰れやくっつきに注意
ふわふわの兵児帯やレースをゴムやテープで形作っています。そのため、圧力や引っ張りなどで崩れる可能性があります。
外れたゴムやテープが他の方や場所に付いてご迷惑をかけないように配慮しましょう。
ひらひらと揺れる垂れ下がりが魅力のクラゲ結びですが、そこが注意するポイントにもなります。
日常生活のおしゃれ用というよりは、雰囲気の良いスポットへお出かけし、撮影を楽しむ用として考えていただくのが良いかと思います。
自由な発想で楽しもう!クラゲコーデ
クラゲコーデの構想を練っている間、スタッフmochidaにクラゲのイメージガールのイラストを描いてもらいました。
クラゲのようなレースやペチコートを合わせた女児向けヒロインのような夢いっぱいの女の子。
このイメージを取り込んで、帯だけではなく細部までクラゲらしいアレンジを加えています。
衿にレースをあしらったり……(接着に使用しているのは半衿テープです)
裾除けにフリンジレースを付け足したり……
(フリル付き裾除けや、洋服用のレーススカートをお持ちでない方は、裾除けにレースをつけるのもありです)
帯にもフリンジレースを付け足したり。
ぜひ、帯だけではなく、自由に夢いっぱいにクラゲコーデを楽しんでいただければと思います。
SNSで紹介したクラゲコーデはこちらから
きもの町の浴衣、帯はこちらから
きもの掘り出し市限定!!ミズクラゲ結びセット★3セット限定販売★
SNSでの大変な反響を受けまして、ミズクラゲ結びセットをご用意することに。
使用しているレース2種、しわ兵児帯ホワイト、半衿テープ、三重仮紐、リングヘアゴムのセットです。
3セット限定となっておりますので、もし興味を持たれた方は、きもの掘り出し市まで足をお運びいただければ幸いです。
きもの掘り出し市、詳しくはこちらから↓
きもの町受注担当。九州出身、沖縄を経由し、花と着物と競馬場の京都生活を満喫中。ブログでは商品情報やコーディネート、着付けの豆知識を発信しています。