はじめて着物:帯揚げの結び方・かもめ結び(内いりく)

2024年3月25日カジュアル・普段着


結ばない帯揚げ・かもめ結び(内いりく)の結び方

簡単でスッキリ決まる帯揚げの結び方「かもめ結び」をご紹介します。
かもめ結びは帯揚げを畳んで、左右を重ね合わせて帯に挟みこむ結び方です。
本結びと違い、結び目がありません。
絞りの帯揚げで振袖にも結ばれますし、カジュアル用の帯揚げで結べば普段着にもOKの結び方です。
いりく結び(入り組結び)とも言われますが、いりくには帯の上に「入」の字に整える方法と、帯の中に入れる方法2種類の方法があります。区別のため「いりく/内いりく」や「いりく衿飾り/いりく山飾り」と呼び分けられることも。今回ご紹介する「かもめ結び」は、「内いりく」と同じ結び方です。

絞りの帯揚げで結んだ「かもめ結び(いりく結び)」

いろいろな呼称がありますが、町スタッフの呼び方は「かもめ結び」です。
左右の帯揚げがゆるやかな弧を描く形が翼を広げたかもめのようですし、その名前の方がかわいいからです!

こんな方におすすめのかもめ結び

かもめ結びは、「結び」としていますが、帯揚げを結ばない方法なのでこんな方におすすめです。

  • 本結び以外の帯揚げの結び方を知りたい
  • 本結びの美しい結び方がどうしても覚えられない
  • 帯揚げの余りが上手に始末できない
  • かわいく時短したい

基本の本結びは、美しく結ぼうとすると案外むずかしい結び方です。
また、結び目がゴロついたり、華奢な方だと帯揚げが余りすぎて始末に困る場合があります。
もちろん本結びをきれいに結ぶコツはたくさんありますし、結ばずに形作ることもできますが、それらをきちんと覚えて上手に行うのは大変!

今回は、ササッと結べてきれいに見える。そんな「かもめ結び」をご紹介します。

かもめ結びの結び方

帯を結んだところからスタートです。

  1. まず帯枕の紐や、帯結びの仮紐は帯の中に入れます。
    帯の中ほどまでグッと押し込むようにしっかりとしまいましょう。


  2. 帯揚げを外側に開き、帯枕の紐(仮紐)から引き離します。
    紐と帯揚げが絡まっていないか確認してくださいね。

  3. 右側から整えます。帯揚げを脇の方まで外側に引き離し、きれいに広げます。

  4. 左のバストトップに届くくらいの位置で長さを決めます。

  5. 4で決めた位置から内側に折り返します。

  6. 両端からくるくると巻くように畳みます。


  7. 巻きたたんだら、左手で先端をしっかり持ちます。

  8. 巻いた帯揚げが袋状になっています。
    その袋の中に、折り返した余分な帯揚げを入れ込みます。

  9. 左手で先端を持ったまま、右手の指を袋の中に入れ、脇に向かってスーッと流すように入れると自然に収まります。

    端までしっかりと収めます。
    2~3回くりかえすとシワもなくなりふっくらと整います。

  10. きれいになったら、まず帯揚げの先端を帯の中に差し込みます。

  11. 次に脇の方を帯の中に入れます。

  12. 脇から前に向かって、流すように帯揚げを入れます。
    1回で入らないときは何度か行ってください。

  13. 左側も同様に整えます。
    まず帯揚げをきれいに広げます。

  14. 右のバストトップの位置で長さを決めます。

  15. 決めた位置から折り返します。

  16. 両端からくるくると巻きます。

  17. 巻いた先端を右手でしっかりと持って、左手で余分を中に収めます。

    脇へ向かってスーッと流します。

  18. きれいに整えたら、先端を帯の中にいれます。入れる位置は右の帯揚げと帯の間です。


  19. 次に脇の方をしまいます。

  20. 前に向かって流しこむように帯の中に入れます。

  21. 着物の衿と同じく左が上に重なるようにします。

  22. 左右を整えて完成です。
    帯揚げを見せる分量などはお好みで調整してください。

写真のように細くシャープにしても良いですし、曲線的に多めに見せても素敵です。

アンティーク着物に合わせてボリューム感を

きれいに仕上げるポイント

◎巻き畳み+余分を入れる=ふっくらと

長さを決めたらくるくると巻き、巻いた中に余分の帯揚げをしまいます。
この巻き込みの曲線と余分のふくらみが、ふんわりとした形を作ってくれます。
また、余分はすべてクッションがわりになりますので、帯揚げがたくさん余る方にもおすすめです。

◎帯に入れるときは脇から前に向かって流れるように

帯の締め具合や、帯揚げの質感によっては、指を滑らせるのが難しいかもしれません。
スーッではなくズズッズッとなっても良いので、できるだけ前に前に力が流れるように意識してください。

最後の仕上げでは、右、左、右、左と交互になでるようにすると綺麗になります。

▼よくない例
帯揚げを整える時にやりがちなのが、こんな風に気になったところだけをピンポイントで押し込むこと↓
きれいに収まっていないところを押し込む。

横の方も気になってグイグイ入れる。

押されて前の方が飛び出したのでまた戻ってギュッとする。

最終的にボコボコに……😥

こんな風に、あちこちグサグサと点で押し込むのは良くありません。
しっかりと入れたい先端、スッキリさせたい脇部分。強く押すのはこの2点のみです。それ以外は一方向に流し入れることを意識してください。

きもの町の帯揚げで簡単カワイイかもめ結び

今回は、帯揚げのかもめ結びをご紹介しました!
細かな動きが多いためご説明が長くなりましたが、何等分にキッチリ畳んで、どちらを上にして、輪をこうして、まっすぐ整えて……といった難しいことはありません。
くるくると、スーッと、といった擬態語多めの説明の通り、そういった手の動きだけできれいに仕上がります。慣れるとスイスイとできてしまいますので、ぜひ1度結んでみていただければと思います!

カジュアル用

ポリエステルの無地やポップな柄物、レースなど。

フォーマル

主に正絹やポリエステル。上品な地模様があるもの、金糸銀糸の縫い取りがあるものを使用します。

夏用

季節によって、材質や織り方の異なるものを使用します。
絽の透け感のあるものは盛夏向けです。

その他、いろいろな帯揚げご用意しております!

ちなみに、きもの掘り出し市ご来場特典として、着付けについてまとめたペーパーを配布しております。
お料理のレシピカードをイメージしたかわいいデザイン。シリーズ5番目は、今回ご紹介したかもめ結びです!
今月のきもの掘り出し市は9月23、24、25日。
ご来店の際は、ぜひお持ち帰りいただければと思います!!

帯揚げの基本・本結びの結び方はこちら

まずは基本をマスターしたい!そんな方は、こちらの本結びの結び方をチェック☆

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