着物の羽織について
寒い時期の上着として、また重ね着のおしゃれのために手放せない着物の羽織。
人気漫画のキャラクターも個性的な羽織を着ていることから注目されているアイテムです。
今回は京都きもの町の羽織のことをご紹介いたします!
羽織はなぜ着るの?いつ着るの?
着物の上着である羽織。その役割は下記のようになります。
- 防寒
- 塵よけ、日よけ
- おしゃれ
1番は防寒のため、寒くなってきた時期に羽織を着ます。
でも、寒くない季節でも薄い羽織を見かけることがあります。それは、外出時の塵よけとして着る羽織です。着物や帯を埃や日光から守るためのものです。
そして、やっぱりおしゃれのため!という方も多いのではないでしょうか。コートやケープと違い、前が開いているので着物や帯周りが見えます。そこに羽織が組み合わさったレイヤースタイルがおしゃれのポイントです。
羽織は洋服でいうところのカーディガンやジャケットのようなもの。
絶対に着なければいけないわけではありませんが、あるとコーディネートの幅が広がります。
着物と同じように、裏地のない単衣と裏地を付けた袷があります。絽や紗の薄物の羽織は盛夏向けとされています。
基本的に着物の季節に準じますが、綿、ウール、レース羽織などは季節問わず単衣仕立てが主流です。
生地感やコーディネートによって着分けていただければと思います。
きもの町のレース羽織について
2022年秋冬から、きもの町オリジナルレース羽織を販売しております。
レース羽織の着用時期について、きもの町では通年用(コーディネートや体感に合わせて)としております。
透け感があることから、レース羽織は絽などと同じように夏用とされる場合もありますが、レース生地というのが比較的新しい素材であり、旧来の季節のルールに当てはめる必要はないと考える方も多いようです。
洋服のレースアイテムと同様、レースの質感や着用者の体感によってご判断いただければと思います。
きもの町のレース羽織の生地は、綿混の暖かみのある柔らかな質感。
お花柄の部分は透けにくい生地ですので、絽や紗といった夏の素材ほど透け透けではありません。
真夏や真冬を除く、通年のカジュアルコーデにご着用いただければと思います。
きもの町の羽織丈感比較
きもの町オリジナルの羽織はワンサイズになります。
着丈や柄の見え方が気になるところ……というわけで、身長の異なるスタッフで着てみました。
〇羽織サイズ:身丈約88cm/袖丈約47cm/裄約69cm
145cm
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スタッフ:mochida
身長:約145cm
裄:約61cm
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後ろは裾がふくらはぎに掛かるくらいの長さです。裄は手の甲に届くくらい。
ゆったりとかわいらしく見えますが、やはり少し大きめのようです。
155cm
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スタッフ:Kr
身長:約155cm
裄:約65cm
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後ろは膝が隠れるくらいです。裄は腕の角度によっては手に掛かるくらい。
全体的には大きすぎるということもなく、ちょうどよく着こなしていただけるかと思います。
165cm
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スタッフ:Kei
身長:約165cm
裄:約71cm
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後ろはちょうど膝丈といったところ。裄もぴったりなのですが、腕をまっすぐ下ろすと手首が出ます。
標準的なバランスです。ただ近年、羽織丈は長め傾向にありますし、洋服もビッグシルエットが定番となっています。その感覚で見ると、もう少し長い方が好みという方もいるでしょう。
3人を並べてみました。
撮影した状況や、着用商品が異なります。また、同じ身長、裄丈でも着付け方によって着用感は変わります。(衣紋の抜き加減、帯の高さなど)
厳密な比較ではありませんが、ご参考になれば幸いです。
羽織の比較動画(2022.10.31追記)
2022年新作着物福袋の羽織を、いろんな身長のスタッフが着用してみました。
着用身長は145cm~167cmまで!
サイズ感の参考になればと思います。
レース羽織はこちら
羽織のちょうど良い丈とは
羽織の身丈は、身長の約半分(身長×0.5cm)の長さを基準にしますが、時代と個人の好みによって大きく変化します。
昭和30年代はかなり短く、おしりが隠れる程度です。
2000年代から現在までは長めの丈が好まれる傾向にあります。きもの町の羽織は身長×0.52くらいですが、長めのものは身長×0.6以上ある場合も。身長の6割以上の丈となると、かなり長めに感じられます。
お店や商品によって異なりますので、お買い上げの際はよくご確認くださいね!
羽織の着方
羽織は衿を外に折り返して着ます。
衿裏の真ん中に千鳥掛けといってステッチが入っているので、それに沿って半分に折り返します。
※この縫い目の糸は取りません!そのままご着用ください
羽織紐
羽織は前が開いているので、それを留めるために羽織紐を結んで着用します。
羽織紐は、共布の紐があらかじめ付いている場合もありますが、別付けが一般的です。
羽織紐の取り付け方
- 羽織には「乳」といって羽織紐をつけるための輪があります。
- 乳に羽織紐のループを通します。
- 羽織紐の先をループの中に通します。
- 紐をループに通しながら引き抜きます。
- 左右とも同じように付けます。
羽織紐が付けられました。
羽織紐の結び方
羽織紐を取り付けたら、結んで着用します。
基本は帯締めの結び方と一緒です。
- 左手側を上に重ねます。
- そのまま1回絡げます。
- 右上の紐を左下に流します。
- 下の紐を上に掛けます。
- 輪に通して引き締めます。
- 完成
長さのある羽織紐でしたら、ちょうちょ結びや変わり結びも可能です。
色々な羽織紐
一般的な組紐タイプの羽織紐の結び方をご紹介しましたが、いろいろなものがあります。
無双といって両端にカンを付けたアクセサリータイプも一般的です。
長さは広げたブレスレットと同じくらいです。
一般的なブレスレットの両端の金具を、カニカンやSカンに付け替えることで自作もできます。
他にも洋服用のストール止めクリップなどで代用したり、細いリボンやコードをつけてもOKです。(洋服用を使うときは金具が着物を傷めないようご注意ください)
スタッフコーデでも私物のアレンジが見られます。
ちょっとしたおしゃれのポイントになりますので、ぜひ羽織紐にこだわってみてください。
羽織紐は、羽織をしまう時に1回1回外すのが理想です。
特にアクセサリータイプは金具で生地を傷めやすいので必ず外しましょう。紐も跡がついたり、色移りなどの心配があるので、保管の際は別々に。
羽織のオシャレを楽しもう
今回は、きもの町の羽織についてご紹介しました!
少しずつ暖かくなるとはいえ、まだまだ羽織ものは手放せない季節。
実用とおしゃれを兼ねた羽織のコーディネートをぜひ楽しんでいただければと思います。
きもの町受注担当。九州出身、沖縄を経由し、花と着物と競馬場の京都生活を満喫中。ブログでは商品情報やコーディネート、着付けの豆知識を発信しています。
コメント
着物の着方にちょっと目が点です。
着物に興味はあるけど、着る機会がなくて、もやもやしてる人は多いけれど、裾つぼまりの魅力は知っています。左前のおくみ線を、右足の小指のところまで持ってくるとか、左前の先を少し上げるとか、後ろの中心線はずらしてよいとかは常識かも。七緒の大久保信子さんの着付けなどを参考にすると、もっともっと素敵な着物姿になりますよ。